hinakonbu’s blog

こどもの健口を育てるブログ

口腔機能発達不全症とは?こどもの口呼吸対策と離乳食のポイント

私の勤務している歯科医院は小児歯科ということもあり、たくさんのこどもたちが通院してくれています。その中で感じるのは、最近のこどもたちの顔、とてもスマートですよね。お口の中を見てみると、顔がスマート=顎が小さいので、大人の歯のスペースがなく、歯並びの悪い子がたくさんみられます。

原因は以外なところに。実は離乳食期にちゃんと口が発達していないことが原因になっていることが多いのです。乳幼児の検診や離乳食教室では、離乳食の進め方・作り方がメインで”与え方”までは説明がないことが多いです。今回は”口を育てる”という目線から離乳食の進め方のポイントをお伝えします。

 

知っていますか?口腔機能発達不全症

口腔機能発達不全症。あまり聞きなれない言葉ですね。

最近の呼吸や嚥下(ものを飲み込むこと)がうまく成長していない子どもが増えてきたことを受け、2018年に新しくできた病名です。口腔機能不全症は無自覚なことが多く、大人の歯が生えてきてはじめて「あれ?こんなに歯並び悪かったかな?」と気づく方もおられます。

口腔機能発達不全症 おもな症状

  1. 歯並びやかみ合わせに異常がある
  2. 強くかみしめられない
  3. かむ力が左右で違う
  4. 舌の突出がみられる
  5. 話し方に障害がある
  6. 指しゃぶり、爪を噛むなどの癖がある
  7. 口呼吸をする  など

 

なかでも口呼吸は、口の機能だけでなく体全体に悪循環を及ぼします。

 

ほんとは怖い!口呼吸

赤ちゃんのうちはお口の筋肉は発達途中なので仕方ないのですが、大きくなっても無意識にお口がポカンと開いてる子がいませんか?その子は口呼吸が癖になっているかもしれません。

ご年配の方でもずっとお口が開いたままの方おられますよね。

口周りの筋肉が衰えてくると、お口が自然と開いてしまうのです。

つまり若いのにお口が自然に開くということは、口周りの筋肉が弱いままということ。

その中でも、舌の筋肉がちゃんと育っているかが重要になってきます。

 

舌を鍛えることの重要性

口呼吸と関係が深いのが、舌の位置です。

お口を閉じてください。今あなたの舌の先はどこにありますか?

 

①下の前歯の裏 ②上の前歯の裏 ③上あご

 

①と答えた方、要注意です。舌の筋肉が弱く下へ落ちてしまっている「低位舌」という状態です。

本来、舌の位置は上あごのくぼみにぴったりくっついているのが正常です。

舌が上あごにくっつくと、自然とお口が閉じます。

お口が閉じると、人間本来の鼻呼吸へつながります。

 

離乳食で正しい呼吸を身につけよう!

赤ちゃんはオギャーと産まれた瞬間から肺で呼吸をし、おっぱいやミルクを吸うことで口呼吸と鼻呼吸の切り替えを覚えていきます。

 4、5ヶ月になると、自分の意思でおっぱいを吸うようになり、味もわかってきます。

スプーンなどを口に近づけて、舌で押し返さなくなったら、ついにきました!離乳のサインです。

 

離乳初期(5・6ヶ月)は口を閉じるトレーニン

どんなスプーンがいい?

様々な赤ちゃん用のスプーンが販売されていますが、買うときに思い浮かべてもらいたいのは、赤ちゃんがしっかり上唇を閉じられるかどうか。初期から、分厚かったり、大きかったり、くぼみの深いスプーンを使うと、上唇が閉じにくく、力がつきません。初期は、小さく薄く平らなものがおすすめです。

また食べさせるときは、利き手側から斜め45°からあげると、赤ちゃんが食べやすいです。

 

上唇が閉じるのを待つ!

忙しい中での離乳食。ただでさえ時間がかかるので、ついついスプーンをお口の中へ突っ込んでしまいたくなります。ペースも早くなりがち。でも、ここは我慢。スプーンの3分の1を下唇にのせ、自分で食べ物を取り込んでくれるのを待ちます。上唇が閉じてきたら、水平に抜きましょう。

 

離乳中期(7・8ヶ月)は舌でつぶすトレーニン

中期になると舌を上下に動かせるようになってきます。豆腐など舌で押しつぶせるものを与えて、舌を上あごにつける練習をさせましょう。この練習が、舌を正しい位置(上あごのくぼみ)で保つことにつながります。

 

食べるときの姿勢が大事

体幹がしっかりしてきたら、食事用のイスをおすすめします。姿勢によっても、噛み方・飲み込み方が変わってきます。ポイントは、背中と足の裏を安定させること。イスと背中に隙間がある場合はタオル等で隙間を埋める、足がブラブラ状態ならば、足の裏全体がピッタリつくように板や台で調整しましょう。

 

離乳後期(9・10・11ヶ月)は奥の歯ぐきで噛むトレーニン

この時期になると上下の前歯が生えてくるお子さんが多いと思います。歯があるので硬いものをあげたくなりますが、この時期は、前歯ではなく奥の歯茎で噛むことが大事。奥歯噛みは、お口の機能の発達の上で、とても重要です。舌ではつぶせないけど、歯茎ではつぶせるバナナや大根の煮付けのような食材がおすすめです。

 

完了期(12~18ヶ月)はてづかみ食べで脳が活性化!

この時期になると、食べる意欲もでできて、てづかみ食べをし始めます。目で見て、手でつかんで、口へ持っていく・・・大人にとっては当たり前のこの動き、実は人間の正しい成長・脳の発達において、欠くことのできない重要な行動なのです。

かじりとることで、前歯→あごへ刺激も加わり、あごの成長も促します。

「汚い」「行儀が悪い」と控えさすことなく、時間の許す限りでいいので、存分にさせてあげましょう。

 

0歳からのストローやスパウト飲みは注意が必要

水分を飲み込むとき、通常舌は上にあがります。しかし、ストローで飲むと、舌は下の前歯の辺りで突出させて飲むことになります。舌の力が発達してない状態で、ストロー飲みが定着してしまうと、低位舌になりやすい他、舌の変な癖がついてしまうことがあります。舌の変な癖は、発音にも影響します。

 

コップ飲みのすすめ

コップのみは上唇のトレーニングに最適です。しかし、コップのふちを唇ではさんだり、上唇の力のコントロールをしないといけないので、赤ちゃんにとっては至難のワザ。

なので、まずはスプーン飲みの練習をしましょう。大きめのスプーンを横から唇にあてすすらせます。うまくすすれるようになったら、小さめのコップなどで練習しましょう。

こぼれるのが気になる場合は、市販の練習用コップもおすすめです。蓋がシリコンになっており、上唇に力がかからないと、水分が出てこないしくみになっています。

 

お出かけや、保育園の希望などでストロー飲みが仕方のない場合もありますが、できるだけ0~3歳の間はコップ飲みをさせましょう。

 

まとめ

ここで書かせてもらった情報はあくまで目安です。理想どおりに進めないことのほうが多いと思います。実際私自身も昨年母になり、子育てや離乳食に翻弄される毎日です。しかし、ゆっくりながらも離乳食からいろんなことを学び、成長していく子の姿に感動することもあります。

一人ひとり成長のスピードは違います。わかっていても、近い月齢の子と比べてしまい、焦ることもありますよね。悩んだときは、まずお子さんの様子をよく観察し、どうしたら楽しんで食事をしてくれるか考えてみましょう。

子育てに忙しい毎日ですが、無理のない範囲でお子さんのお口を育てていきましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

                              

<参考文献> 

 

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